
遺品整理の時期と進め方
無理なく進めるロードマップ
焦りすぎず、かつ期限を逃さない。法的手続きと物理的な片付けのスケジュールを把握しましょう。
遺品整理には「こうしなければならない」という絶対的な正解はありません。しかし、法的な手続きや契約関係には明確な期限が存在します。焦りすぎず、かつ期限を逃さないためのスケジュールを確認しましょう。
1. 遺品整理における「重要期限」チェックリスト
スケジュールを立てる上で無視できない、法的な期限と事務的な期限を把握しましょう。
| 期限 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 〜数日以内 | 賃貸物件の解約連絡 | 退去予告期間(通常1ヶ月前)を確認し、日割り家賃の有無をチェック。 |
| 〜3ヶ月以内 | 相続放棄の決定 | 借金がある場合、遺品を勝手に処分・売却すると「放棄」ができなくなるリスクあり。 |
| 〜10ヶ月以内 | 相続税の申告・納税 | 遺産総額が基礎控除を超える場合、この期限までに財産の確定が必要。 |
| 〜3年以内 | 相続登記(不動産) | 2024年4月より義務化。 正当な理由なく放置すると過料(罰金)の対象に。 |
2. 遺品整理のタイムライン(4つのステップ)
ステップ1:【逝去直後 〜 1週間】貴重品の確保
悲しみの中ではありますが、まずは「紛失してはいけないもの」だけを確保します。
- 遺言書の有無を確認公証役場や自宅を探します(※封印がある場合は勝手に開封しないこと)。
- 重要書類の保管通帳、印鑑、保険証券、不動産の権利証、貴金属などを1箇所にまとめます。
- 公共料金等の停止故人のスマホ、有料アプリ、公共料金など、支払いが発生し続けるものを止めます。
ステップ2:【1週間 〜 四十九日】親族での意思疎通と計画
日本では「四十九日の法要」で親族が集まる際、本格的な整理の相談をするのが最も一般的です。
- 親族で方針を話し合う誰が何を形見分けするか、勝手に捨ててトラブルにならないよう合意形成をします。
- 業者か自力かを決定部屋の規模や、遠方で通うのが難しいかなどの条件で判断します。
- 見積もりの依頼業者に頼む場合は、この時期に相見積もり(3社程度)を取っておくとスムーズです。
ステップ3:【四十九日 〜 3ヶ月】本格的な仕分けと搬出
精神的にも少しずつ落ち着きを取り戻し、実作業に入る時期です。
- 「残す・売る・捨てる」の仕分け迷うものは「保留箱」へ入れ、無理に即断しません。
- 不用品の搬出・処分自治体の粗大ゴミ予約、または業者による一括回収を行います。
- 供養の手配お仏壇や神棚、お人形などの供養(お焚き上げ)を執り行います。
ステップ4:【3ヶ月 〜 10ヶ月】不動産・相続手続きの完了
最後は、不動産や税務上の整理を完了させ、家を空にします。
- 不動産の名義変更・売却司法書士と連携し、相続登記を完了させます。
- 遺産分割協議書の作成全ての財産(動産・不動産)が確定した後、書類を作成します。
- 部屋の清掃(原状回復)賃貸の場合は明け渡し、持ち家の場合はハウスクリーニング等を行います。
3. 遺品整理アドバイザーのアドバイス:心の持ち方
遺品整理は体力だけでなく、精神力を大きく消耗します。以下の点に注意してください。
「焦り」は禁物
「早く終わらせなければ」という焦りは、大切な思い出を誤って捨ててしまったり、体調を崩したりする原因になります。
専門家を頼る勇気
遺品を整理することは「お別れを認める」作業でもあり、非常に辛いものです。精神的に立ち止まってしまったら、無理をせずプロに任せることも「心の健康」を守るための立派な選択です。
4. 2026年現在の進め方のコツ:デジタル化の活用
現代の遺品整理では、「物理的な量は減らし、想い出はデータで残す」のが主流です。
アルバムの整理
大量の写真はスキャンしてデジタル化し、フォトブックやクラウドへ。場所を取らずに永久保存できます。
日記や手紙
捨てにくいものは写真に収めてから、機密処理(溶解処理など)へ。コンパクトに想い出を残せます。
まとめ:一歩ずつ、納得できる形へ
遺品整理は、故人との最後の大切な対話の時間でもあります。法的な期限を意識しつつも、ご自身のペースを大切にしてください。
「何から手をつけていいか分からない」「期限が迫っている」という場合は、早めにプロの遺品整理業者へ相談することをおすすめします。